
1863年1月1日に『奴隷解放宣言』が出され、南北戦争が北軍の勝利に終わると、1865年に奴隷制は憲法により禁止された。
ここに250年に及ぶ米国最大の負の歴史は終わリを告げ、新しい時代が夜明けを迎える。
しかし、開放されたアフリカ系アメリカ人(黒人)たちを待ち受けていたものは、『人種差別』や『貧困』という、更なる悲劇だった。
2009年、バラク・オバマ氏が米国大統領に就任し、史上初の黒人大統領が誕生した。
これにより、「史上初の快挙」「米国は人種差別を克服した」などと、各種メディアが取り上げた。 しかし…
人類は、本当に人種差別を克服したのだろうか?
本当の自由や人権を、手に入れたのだろうか?
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奴隷制や人種差別問題を、「海の向こうの出来事」と考える日本人は多い。
しかし、日本国内にも奴隷制や人種差別は存在したのだ。
日本の植民地政策時代(1906-1945)や、第二次世界大戦中に、中国、朝鮮半島、その他の地域から人々を強制的に日本に連れ去り、過酷な労働に従事させた『強制労働問題』は、日本国内における奴隷制度であったと言い換えてもいいだろう。
また『従軍慰安婦』は、日本の和英辞典では『Comfort Woman(慰安婦)』と翻訳されているが、米英のメディアでは『Sex Slave(性の奴隷)』と表記されることがよくある。
『在日中国・朝鮮人』への差別は、日本国内に存在する明確な人種差別だ。
また、『えた・ひにん』は、同じ日本人に理不尽な身分を与え、強制的に被差別階級を作った、人種差別よりもさらに悪質な制度である。
中国、北朝鮮、韓国をはじめとした国々は、『強制労働問題』や『従軍慰安婦問題』への謝罪と賠償を、戦後60年以上が過ぎた現在でも求めている。
また、以前より減少はしたものの、『在日』や『えた・ひにん』に対する差別は、現在も無くならない。
歴史上の出来事は全て、「すでに終わったこと」ではなく、「未来への教訓」である。
だから、信じたい。
「過去の暗闇」は、これから作り出す「未来の光」のためにあったのだと。